カジュアル
トレンドに左右されることなく、より個性を引き出すためのジャケット&パンツのスタイル。
ビジネスシーン、オフタイムのコーディネートの幅をより豊かにし、一味違う「オーダーメイド」ならではのサイジングと存在感を演出。
季節ごとに変化する素材を楽しめる、世界各国からセレクトしたファブリックを中心に、 ベーシックでクラシカルな色や柄からクリエイティブで独自性のある生地まで、豊かなコレクションを揃えます。
この記事は「カジュアル」カテゴリーの記事
トレンドに左右されることなく、より個性を引き出すためのジャケット&パンツのスタイル。
ビジネスシーン、オフタイムのコーディネートの幅をより豊かにし、一味違う「オーダーメイド」ならではのサイジングと存在感を演出。
季節ごとに変化する素材を楽しめる、世界各国からセレクトしたファブリックを中心に、 ベーシックでクラシカルな色や柄からクリエイティブで独自性のある生地まで、豊かなコレクションを揃えます。
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ジャケット&パンツもビジネスウェアとして定着してきて、最近では、ほとんどがジャケパンでの出勤というお客様も多いです。
あるお客様に、ネイビーとグレーという定番で着まわしのきく色合いのジャケットを2着ご注文いただきました。
納品と最終フィッティングのためにご来店いただき、サイズ感や生地の風合いなど大変気に入っていただきました。
その日のうちに、「真夏にジャケットを脱いでもラフになり過ぎないようにベスト(ジレ)を作りたい」とご要望をいただき、オーダーされることに。
ジャケットと同じ生地で合わせて作ることも多いベストですので、同生地にてお薦めしたところ、別生地でのコーディネートが良いとのこと。
イタリアのファッションイベントであるピッティウォモなどでも見られますが、ジャケットとは違う生地のベストを着用するという、まさにおしゃれ上級者なコーディネートをご提案する機会を得ました。
日々ブログではお客様に少しでも楽しんで貰える様にとなるべく時間を掛けて正誤を確かめながら情報を載せようと奮闘している私ですが、お客様の前に立って提案するのは実践、スピードやセンス等も問われます。
そういう意味でも、今回のジャケットとパンツだけでは終わらず、それに合わせるベスト(ジレ)まで考えるのはスーツをご提案するよりも色柄の幅が多くとても難題。
当たり前ですが、まだまだ勉強中の身の私にとってこれほど勉強になる場面はなかなかありません。
お客様と会話をしながら、お客様の雰囲気や好み、職種や着用する場所などをお伺いして、数ある生地の中から良さそうなものをピックアップしていきます。
今回、選ばれた生地がこちらイタリアの名門、カノニコのホップサック。
こちらは比較的新しい生地ブランドのファビオの生地。
ベスト単体でも着れるようにしたいとのことでしたので、単体でも映えるような、ジャケットの中に着たとしても色合いの喧嘩が起きないように、それでいて存在感のあるようなベストをイメージしてピックアップし、お客様にお見せしました。
提案する際、主に色合いを意識しました。
カノニコの生地は、暖色の茶色を同じホップサックの組織柄であるジャケットに合わせることにより、色味の違いがあっても喧嘩せず、大人っぽく落ち着いた雰囲気になると思いご提案しました。
これはシンプルなネイビーのジャケットに差し色の茶色として合わせていただいたら良いのではないかとお伝えしました。
ファビオの生地は、お客様も初めの方から気になっていらっしゃったのですが、派手かな、、、と悩まれていました。
白が入ることで明るくなり、ややスポーティーな雰囲気になりそうなこの生地ですが、濃いめのブルーとさらに濃い濃紺の糸が織り込まれているので、派手というよりクールでアクティブな印象があります。
ツヤもある生地だったので、地味になりがちなグレーのジャケットに合わせることで、ジャケパンスタイルのバリエーションにもさらに幅が出てくると、ご提案させていただきました。
もちろん、その他にもいくつかの生地をご提案させていただき、最終的にお客様に選んでいただいた二つでした。
良く言われる事ですが、注文服を作る中で仕立て屋と顧客が会話(be spoken)する事で、注文服は仕上がっていきます。
お客様との会話の中で、自分の想像をお客様に伝えるのもとても技術のいるものだなと、よく感じます。
それは作ってくださるお客様も同じで、作りたいスーツのイメージを僕らにお伝えしていただくのも難しいことだと思います。
しかし、大量の生地の見本をここぞと言わんばかりに差し出し、「この中から選んでください」とお客様に丸投げして、お客様の想像通りのスーツを作るのはこれもまた難しいことだと思います。
お客様の作りたいイメージのスーツを僕ら仕立て屋が一緒に練りだすことで、ご希望の1着が生まれるんだな、と感じました。
以前ご来店されたお客様で
というお話しを頂き、「光沢感としなやかさが特徴的なイタリアの生地」を並べてお見せしたとき、どうもシックリ来てない印象がありました。
不意にカシミア混のイギリスの生地を手に取ると、すぐにお気に入りの生地が見つかったことがあります。
そのお客様の「光沢があって柔らかい生地が良い」というのは、イタリアっぽさを表現しているのかと勝手に思っていたましたが、素材その物の表現だったんですね。
よくよくお客様にお話しを聞いて行くといつもカシミアの素材使いが得意なブランドでスーツを購入している事が分かりました。
私も時に、主観的な考えからお客様のご要望やキーワードを勝手に変換し、生地やスタイルをイメージしてしまうような時があります。
しかし、お客様とのお時間を大切にさせていただくことで、気づく新しい考えがたくさんあるものだと改めて思いました。
せっかくの完全予約制、お客様にお時間を頂戴しますが、一緒に素敵なスーツスタイルを作っていければと思います。
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
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某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。