ウエディング
この記事は「ウエディング」カテゴリーの記事
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2018/06/03
先日お仕立ていただいた、ハワイでの挙式の新郎衣装が反響をいただいております。
このような風合いで作りたいと、同じくハワイでの挙式のお客様や、ジャケットの雰囲気がいいねと、スーツやジャケット単品でのご注文もいただいています。
さて、今回注目するのは、このジャケット。
ハリソンズというイギリスの名門ブランドの「イカルス」というレーベルの生地にて仕立てています。
夏のカジュアルジャケットの生地として人気のイカルス。
直径約18.5ミクロンの繊細なメリノウール、選び抜かれた上質なシルクとリネンから織り上げられたラグジュアリーなジャケットのコレクションです。
ロンドンの今を感じさせてくれるファンシーデザインの数々も、選ぶ楽しみを増やしてくれます。
このブランドの最大の特徴である三者混というクオリティ。
ウール、シルク、リネンという素材を混ぜ合わせ作られた生地は、リッチな素材感と夏のビジネスシーンで重要な高い快適性を生んでいます。
ウールの高い機能性については、以前の記事でご紹介しました。
https://oreno-tailor.com/wool100/
麻を使用した生地の表情が素晴らしいこともこちらで触れています。
では、シルクはどうでしょう。
皆様のイメージは、高級である、光沢があるなどでしょうか?
シルクの魅力はそれだけではありません。
シルクは繊細な布地と思われがちですが、強伸度に関してはウールよりも強く、綿や裏地に使用するキュプラなどの合成繊維と同じくらいの強さがあります。
強伸度とは、引っ張られた時の強度。シルクは意外にも強い素材なのです。
シルクの吸湿性は、綿の1.5倍ほどあり、放出性も綿と同じくらいあります。
肌着、シャツなどで使われる綿と同じくらいの吸・放湿性があると考えると、素晴らしい機能性です。
今回ご紹介したイカルスは、主に夏用のジャケット生地ですが、シルクは保温性にも優れています。
蚕の作る不均一性かつ細さが特徴のシルクの糸は、生地にした時に空気を保留してくれるので、薄くて繊細な繊維でも保温性があるのです。
シルクは、フィブロインとセリシンという成分でできています。
蚕が吐き出した繭糸の時はこのセリシンが固着していますが、シルクの糸に加工される時、このセリシンは洗い流されます。
セリシンを除いたこのフィブロインが、光沢、柔軟性のあるシルクの主な成分となっています。
フィブロインの断面は上のイラストのような三角形になっています。
この三角形の形は、光の反射を均一するとともに、光を取り込んだ時にプリズムの役割をすることで、シルクならではの光沢を生んでいます。
また、シルクの染色精度は高く、いろいろな色に美しく染まる特性もあります。シルクスカーフなどで、細かい繊細な柄を表現できているのも、この染色の良さが表れています。
改めて、三者混のジャケット生地「イカルス」のコレクションをご覧ください。
ピックアップしました。
ロンドンのファッション性や、夏快適な機能性を感じられること間違いなしです。日本の夏は、9月後半ごろまで暑いですよね、、、
今からのオーダーも遅くありません!ぜひ、ビジネスカジュアル、オフタイムのジャケットを三者混の生地で仕立ててみてはいかがでしょうか?
夏の生地つながりで、、、
イギリスの名門ホーランドシェリーのモヘア混のスーツ生地コレクション。
春夏のコレクションで、モヘアはよく使われるのですが、この中で滅多にないパープルの生地を発見。
これは珍しいです。ビビッと来た方はお早めに。。。
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
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某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。