コート
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2019/10/25
カバートコートとは?と意外とまだ認知度の低いこちらのコート。
昨今の英国人気の背景もあって徐々に支持を獲得しているコートでもあります。
では、どんなコートなのかというと、その出自はハンティング(狩猟)にあります。
まずはこちらをご覧下さい。
英国ではこちらの写真の様な【Thistle(和名:アザミ)】と呼ばれるトゲを持つ植物が広く自生しています。
この【アザミ】の持つ強力なトゲは攻め入ってくる外敵から国土を守ったとして、スコットランドの国花にもなり、英国通貨の5ペンスのデザインにも使われている程、英国国内では影響力を持った植物でもあります。
獲物を追いかけ仕留める事に神経を尖らせるハンティングの最中に、そんな【アザミ】の様なトゲを持つ植物から身を守るのは容易ではありません。
そうした中で生まれたのがこのカバートコートであり、もといカバートクロスであります。
カバートクロスはデニムの様な織りで出来た生地を言い(日本ではカルゼとも言います。)その名の通りそのトゲを寄せ付けない強靭な生地となっており、水滴をも通さない防水効果もあるのが特徴です。
見立てはチェスターフィールドコートと酷似していますが、それとは違い胸ダーツは無く、細部は獲物を仕留める為に削ぎ落とされたデザインとなっています。
袖口や裾口にはレールドステッチ(ミシンステッチ)が施されるのもこのコートならでは。藪の中を歩き回る為に引っ掛かりが無く堅牢性を持たせた作りになっています。
上衿にはコットンベルベットが使用されます。
こちらの胸ポケットは箱型ですが、腰ポケット同様にフラップ付きで仕立てても良いかと思います。
当店では、【ハリソンズ】のOvercoatingの中から、こちらの4色をオススメしています。
上2色は王道のカバートコートとして、紺やグレーならビジネスライクなカバートコートとしてオススメです。
この記事を書いたのは「倉持悠也」
筆者「倉持悠也」について
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大学卒業後勤めた会社で上場、倒産、新会社の立ち上げという激流に流されたTwenties。
自ら城を築くべく、「俺のTailor」を立ち上げる。
しかし、経営者の道のりこそ激流だと気付いたRecentry。
趣味はサーフィン、出来れば南の島で時の流れに身を任せたい。