スーツ
ビジネスウェアを必要とする多くのビジネスマンや経営者、起業家、ビジネスに成果を求める人。
あなたのキャラクター、体型を最大限に活かした飽きのこない実用的な服「リアルクローズ」を、俺のTailorは提案いたします。
この記事は「スーツ」カテゴリーの記事
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まず、前提としまして装い・ファッションとはTPO(タイム・プレイス・オケージョン)によって変化が生じます。もっと簡単な言葉で言うとフォーマル(同意:ドレス)とカジュアル、この2極が存在します。
アイテムによってこれはフォーマル寄り、こっちはカジュアル寄り、みたいなモノが存在していてこの組み合わせをTPOに応じて装いに変化を付けられる人がコーディネイトがうまい人ひいてはセンスが良い人という事になるのかな、と個人的には思います。(実際センスが良い人はこれを無意識にやってる人が大半だと思いますが。)
冒頭にも出ていた、センスの悪い人と思われてしまう人というのはこれが出来ていない事が多く、例えば光沢のあるフォーマル寄りのスーツのジャケットに、無光沢のセンタークリースも入っていないカジュアルなチノパンを合わせる、というのはかなり対極にあるものを合わせているのでそれを見ている周りの人に違和感を感じさせ、センスがない人という評価を下されてしまいます。決して色とか柄の組み合わせだけではないという事は覚えておいた方が良いと思います。
このフォーマルとカジュアルという感覚は特に紳士服の基礎となるスーツの歴史やデティールを学ぶ事で養う事が出来ます。
例えば一つ例に出すと、スラックスの裾がシングルかダブルか、この感覚もフォーマルかカジュアルか、の表現の一つになります。フォーマルウェアでいう正礼装の燕尾服やモーニングコート、タキシードなどは全てシングルの裾で構成されており、どれ1つとしてダブルの裾はありません。逆にカジュアル化が進んだ昨今のスーツの裾は殆どダブルですよね?そういう事です。
ですので、例えば本来シングルであるはずのタキシードの裾がダブルになっているものがあれば、それは少し着崩した、もしくはカジュアル化したタキシードというニュアンスになって、コーディネイトも少しそれを意識したアイテムを合わせてみるとセンスが良いなぁ、となります。
という事で前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回のお題であるスーツをカジュアル化したい場合は一番印象を大きく左右する生地についてはカジュアルなモノを選ぶ必要があります。
光沢は抑えて、カジュアルにも見える生地を選ぶのです。
ここで1つ、オーダースーツを仕立てる際に覚えておいて欲しいのが、我々の様な仕立て屋には生地のサンプルも含めると膨大な数の生地が店頭で見れますが、そもそもスーツとして仕立てる事を想定した生地とそうでない生地が存在します。
具体的にいうとジャケット用として織られた生地はパンツとして仕立てられる事を想定していない為、耐久性が担保されておらずそもそもスーツとして仕立てる事は不可能です。
ですから、【スーチング】と呼ばれるスーツ用の生地から選びます。
もちろん、そういった生地たちは織る際にスーツに仕立てられる事を前提としておりますので、そこまでカジュアルな生地というは存在しません。
ですから、数多くあるスーツ用の生地の中から【カジュアル見え】する生地を選ぶ必要があります。
それは、生地の色柄という意味でもそうですし、素材や織り方などというのも関わってきます。
先程出たフォーマルウェアの話しにもどすと、どれもフォーマルウェアというは色は黒とか濃紺、白など無地の生地を使用します。もっというとコールパンツに縞模様(ストライプ柄)はありますが、チェック柄というのはフォーマルには存在しません。
ですので、このあたりはお客様のお好みやコーディネイトの仕方にもよりますが、スーツスタイルでのカジュアル化という事を一つテーマで考えるとチェック柄を選ぶというのは一つの方法になります。
基本的にスーツ生地の場合、羊の毛を使っていてウール100%というのが一般的になります。そこに例えばポリエステルなどの化繊が入ってストレッチ性を高めたり、カシミアやシルク、モヘアなどを混紡して質感に変化を持たせた生地がございます。カジュアル寄りな生地の中には綿や麻を混紡したものもあります。
後者の綿や麻を混紡したものは春夏モノとしてカジュアル化には向いているかと思います。
あとは、生地の織り方。
これは、単純には言えませんがどちらかというと生地も光沢の出やすい綾織りはフォーマル、平織りはカジュアルなテイストになります。
よくオックスフォードシャツというカジュアルの代名詞みたいなシャツがありますが、あれは平織りです。平織りの方が光沢は出づらく、よくこの業界で言われる【ザックリ】としたカジュアルな印象を持ち合わせます。
スーツとジャケットの違いは仕立て方にもいくつか違いが見られます。わかりやすいところでいうと肩パットの有無やポケットの形状だったりします。ジャケットスタイル(ジャケパン)ではパッチポケットといって、上から貼り付けた様なポケットの形状が見られます。
また、当店ではジャケットの総毛芯仕立ては変えずに、より薄く柔らかい毛芯もご用意しておりますので、芯有り芯無しの選択も出来る様になっております。
今回のお題である、スーツのジャケットをジャケットスタイル(ジャケパン)にも使いたいという事でしたら、あくまでも外見上はスーツの体で、カジュアルにも合わせられるね、といったバランスを目指すと良いと思います。
但し、スーツの良いところでもある肩周りをがっちりと見せる様な構築的な仕立ては基本的に出来ないのでその辺りは注意が必要です。
スーツのジャケットをジャケパンにも使えるか?という事ですが、結論はオーダーなら兼用出来るスーツに仕立てられます!
決して、普通の既製品のスーツを着回そうとは考えない方が良いと思います。
上の写真が肩パットを入れた一般的なスーツの構築的な肩周りで下は今回のジャケパン兼用を目指したスーツのジャケットです。
下の写真の方が肩周りに丸みがあって柔らかい雰囲気になっているのがわかりますでしょうか?
使用した生地もチェック柄で平織りのどちらかというとマットな見た目である生地を選んでおりますので、パンツ選びにも困らないのではないでしょうか?
一例ではございますが、オーダーではこの様に細かいところに焦点を当ててスーツ作りをする事が出来ます。
フォーマルとカジュアルのバランスを考えて、合わせるアイテムを考えながらスーツ作りをするのもまた面白いかと思います。
この記事を書いたのは「倉持悠也」
筆者「倉持悠也」について
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大学卒業後勤めた会社で上場、倒産、新会社の立ち上げという激流に流されたTwenties。
自ら城を築くべく、「俺のTailor」を立ち上げる。
しかし、経営者の道のりこそ激流だと気付いたRecentry。
趣味はサーフィン、出来れば南の島で時の流れに身を任せたい。