スーツ
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この記事は「スーツ」カテゴリーの記事
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2019/05/11
夏の定番生地として知られる「モヘア」
様々な種類の衣類やアイテムで使用されているモヘアですが、スーツ生地にも使用されています。
スーツ生地の場合、ウールとモヘアは混合使用されることが多く、一般的にはそのモヘアの比率が高い生地ほど高級です。
なぜ、モヘアは夏の定番とされているのか?
スーツの生地でモヘアが混ざることにより、どのようなメリットがあるのか?
モヘアのスーツ、夏のスーツをオーダーするときに、ご参考にしていただければと思います。
まずモヘアどのような素材なのでしょうか?
モヘアはトルコや南アフリカなどを産地とするアンゴラヤギから取れる毛のことを言います。
ちなみに品質表示が「アンゴラ」となっている素材は、「アンゴラウサギ」というウサギの毛を使用しています。
ヤギの毛というと、コートなどに使用される高級素材でカシミヤヤギから取れる「カシミヤ」があります。
そのため、ヤギから採取できるモヘアは「夏のカシミヤ」などと言われ、高級素材として扱われております。
生後一年未満のアンゴラヤギから取れるモヘアのことを「キッドモヘア」と呼びます。
細く柔らかいキッドモヘアはモヘア混のスーツ生地の中でも最も高級とされ、通常のモヘアと比べ、光沢感、着心地が素晴らしく仕立て上ります。
スーツ生地にモヘアを混ぜることにより次のような機能性が生まれます。
モヘアはウールに比べ、毛の表面にあるスケールと呼ばれる鱗が滑らかです。
さらに、クリンプと呼ばれる毛の縮れも、ウールに比べモヘアは少なく、直線的な毛の形をしてます。
ウールよりも表面が滑らかなので、さらに光沢に富んでいるということです。
モヘア特有の光沢感は、フォーマルな場面でも重宝され、モヘア混の生地は、ウエディング用のタキシードなどにも使用されます。
モヘアは、ウールに比べ、純白度が高い素材となっております。
そのため、非常に多彩な色合いが表現できます。
夏の生地で最も欲しい機能というと「通気性」
モヘアの毛が直毛という特徴は、光沢感だけでなく、通気性の良さにも影響してきます。
毛が直毛のため、通気性がよく保温性も低いため、さっぱりと着用することができます。
モヘアが夏の素材として選べれる最大の理由でもありますね。
ここまでご覧になっていただくと、
「そしたら夏は、モヘア混のスーツ一択なのではないか?」
とお考えの方もいるかもしれません。
しかし、モヘアの素材というのは、ウールに比べ高級な素材。
昨今は、モヘアの供給量が激減し、業界ではなくなってしまうのではないかと言われているくらい。
希少は増し、年々値段が上がっている素材でもあります。
コストの面を考えるとウールの方が安定しているかもしれません。
それでは、モヘアに比べ、ウール100%の生地は暑いのかいうと、そうではなく、、、
迷った時は、生地の織り方や重さを考えてみてください。
写真のように透けるほど、薄く、通気性に優れた生地もこの時期多数用意しております。
透けるような生地というのは「平織り」
縦横一本ずつ糸を通し、生地に織り上げるので、糸同士が反発しあい、隙間ができます。
逆にモヘア混でも織り方を「綾織り」にすることで、糸同士の密度が高くなり、保温性が高くなります。
このような生地だと、モヘアが入っていてもオールシーズン着用できるようなクオリティになり、モヘアの高級な光沢感を一年中着用できるというわけです。
以上のように、夏のスーツの快適さを求め、涼しさを追求するのであれば、生地の織り方などにも注目してみてください。
必ずしも、モヘアが入れば絶対的に涼しいというわけでもありません。
例えば、秋から冬の入り口くらいまで着用したいというご要望があれば、また違った生地が最適かもしれません。
ビジネスシーンにおいて、多くの時間着用するスーツ。
オーダーメイドでは、実際に生地に触れてみて、素材の説明を聞き交えていただきながらオーダーしていただくと、シーズンにあった最適なスーツが仕立て上がると思います。
夏のビジネスウェアが不快、、、そんな時は、テーラーに相談し、オーダーメイドのスーツやジャケット、パンツを試してみてはいかがでしょうか?
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
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某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。