スーツが破れた時の対処方は??仕立て屋ならではの技術「かけはぎ」
破れてしまったスーツは捨てるしかない?
私自信、自分では一度もこんな経験はないのですが、結構多いのがこんなお問い合わせです。
『スーツが破れてしまったのですが、どうにかなりませんか?』
破れた箇所にもよりますが、対処の方法はどんなものがあるでしょうか?
スーツを捨てる前に是非一度ご覧下さい^_^
一番破れやすい股やお尻の部分のなおし方「たたき」
タイトフィットが好みの方に多いのがこのアクシデントです。
外出先でなってしまった方もいるかと思いますが、何とも恥ずかしい思いになってしまいますよね、、、
実際に以下の様な写真がお客様から度々送られてくるので紹介致します。
比較的修復できる範囲 セーフの破れ
こちらはまだまだセーフの状態。
縫い合わせた部分がほつれているだけなので再度縫い合わせればすぐに直ります。
修復が困難 アウトの破れ
生地も毛羽立って一部が完全擦り切れてしまっています。
この場合どうするかなんですが、股の間等の目立たない部分によくやる対処方として【タタキ】という方法があります。
「タタキ」という破れ、ほつれの修復技術
ダメージ加工のデニムパンツで見た事がある方もいるかもしれませんが、裏側からあて布をあてがいミシンで名前の通り「たたいて」いく方法です。
仕上がりはこんな感じで直したのは分かってしまいますが、強度が出るので目立たない部分にはコスト的にもこの方法が適していると思います。
目立つ部分の破れの解決方法「かけはぎ」
タタキはあくまでも応急処置といった感じで、高級なスーツや目立つ箇所には適しておらず、直した箇所が一目瞭然です。
そこで、テーラー文化の中でもとても重宝されてきたのは【かけはぎ】という技術。
お直しの最高技術「かけはぎ」
ただし、これは誰にでも出来るというものではなく、当店も東京都文京区の腕ききの職人さんにお願いしています。
【かけはぎ】となると、時計で引っ掛けて破れてしまった穴もここまで綺麗に。
目印の糸がある場所が元の穴ですが、全くわかりませんね。
1センチ四方でも4千円程かかるのでコスト的には高くなりますが、お気に入りのスーツや目立つ場所には【かけはぎ】が最強のお直し方法ではないでしょうか。
【番外編】チャールズ皇太子はつぎはぎだった?
英国の王室、チャールズ皇太子の珍しい写真を見つけました。
なんと手直し感がバシバシ感じられるつぎはぎ!
英国王室にとっては着るスーツも世界中から注目される《商品》であるのは間違いないのですが、あろうことかつぎはぎです。
これぞ英国スピリッツ、一本取られたという写真でした。
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