仕立て屋の提案
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「仕立て屋の提案」カテゴリーの記事
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
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2021/04/23
スーツの歴史を辿ると、もともとは軍服から進化して現代のスーツが登場したと言われていますよね?
モーニングコートの裾を切り落とした上着が19世紀に誕生し、20世紀の初頭にアメリカでビジネスウェアと着用された事で世界中に広まってきたスーツ。
今やグローバル・スタンダードとなったスーツを格好良く着こなすには、それぞれのディティールに隠されたストーリーを知る事がもしかすると近道かもしれません。
一度覚えてしまえ一生使えるその知識、覚えておいて損はないと思います。
今となっては想像し難いですが、馬が人の運搬手段だった時代にこのベントが生まれました。
上着がひざ丈まであるコートような長さが主流だった時代に、真ん中に切込み(センターベント)を入れることで上着の裾をさばいたわけです。
サイドベンツに関しても、サーベル(剣)を腰にさげやすくしたのが起源と言われています。
共に運動機能的な理由から切込みを入れたのですね。
運動量が少ない場(優雅な動きを求められる場)で着る、タキシードを典型とするヒップ丈の礼装用(フォーマル)のジャケットがノーベントにするのが習わしとなっているのも逆説的で面白い点ではないでしょうか。
ノーベントがフォーマルの習わしになっているのであれば、ビジネスシーンで着るスーツのベントはどうするか?
ある程度の運動量があるので、そこはやはり切込みを入れます。
バブルを経験されている世代の方は、【ソフトスーツ】が流行った名残もあってビジネススーツにもノーベントにされる方はいますが、現代風のシルエットにするのであれば入れておいた方が無難だと思います。
では、どの様な基準で入れるか?
結論から言ってしまうと見た目で選んで大丈夫です。
クラシコの伝道師、故・落合正勝氏も著書でこの様に言っています。
では、見た目でどの様な違いが出るか。
センターベントは良く、【スポーティ】という言われ方をします。後ろ姿を見た時にゆとりを感じさせず、一本真ん中に切込みが入る姿はシンプルでスッキリとした印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
一方のサイドベンツはというと、【エレガント】と言われます。
これは、スクエアなシルエットによる重厚感とヒラヒラと動きが出る優雅な姿がその限りです。
スーツをオーダーする場合、まずはそのスーツを着る場面(TPO)を考え、生地やボタン、裏地等を自分で選んで決める事が多いと思います。
そのオーダースーツを着た時に、自分をどの様に見せたいか?という【テーマ】が決まってくると、ベンツ選びもTPOや全体のバランスから決めやすくなると思います。
服はセルフプロデュースの最たるものだと思いますので、その辺を意識出来る様になると服選びがもっと楽しくなるのではないでしょうか。
ベントの持つ【スポーティ】と【エレガント】、これをを覚えて頂けたら幸いです♪
この記事を書いたのは「倉持悠也」
筆者「倉持悠也」について
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大学卒業後勤めた会社で上場、倒産、新会社の立ち上げという激流に流されたTwenties。
自ら城を築くべく、「俺のTailor」を立ち上げる。
しかし、経営者の道のりこそ激流だと気付いたRecentry。
趣味はサーフィン、出来れば南の島で時の流れに身を任せたい。