スタイリングテクニック
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「スタイリングテクニック」カテゴリーの記事
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
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2020/02/15
オーダーメイドを楽しんでいただく重要な行程の「生地選び」
私たちテーラーは、お客様のご要望や着用する場面、場所などによって、生地の提案を考え、変えていきます。
生地選びにおいて重要なのは、色柄、そして機能性。
お客様の好みの色柄はもちろん、季節に応じた快適さを、生地から取り入れることもできます。
今回は、春夏シーズンに人気のソラーロの生地をご紹介させていただきます。
ソラーロはもともとヨコ糸をカーキ、タテ糸を赤で織られている生地のことを言います。
ソラーロの生地は、20世紀の初め、イギリスが植民地を増やそうとしている時代に、熱帯地域へ派遣されたイギリス人の肌を激しい日差しから守るために開発されたと言われております。
外側のカーキーは、軍人にとって実用的かつ、熱を保ちにくい白に近い色。
内側の赤色は、「植民地の原住民の着用している赤い衣装が、熱帯地域の暑さを和らげている」と言われていたために採用されました。
ちなみにソラーロの色使いが熱を遮断するという機能性はあまり期待できません。
実際、当時開発されたソラーロも数十年、使用されずにいました。
それでもソラーロが生まれたこのストーリーが、服好きのイギリス人たちに好まれ、伝えられ、夏ならではの生地として親しまれています。
現在では、タテ糸とヨコ糸には「カーキー×レッド」という組み合わせに縛られず、様々な色味が展開されています。
そもそも、ソラーロの本来の色味であるカーキーをベースとしたスーツだと、ビジネスシーンではなかなか着用できないというお話も多く聞きます。
ここまでくるとビジネスシーンでも取り入れやすくなります。
さらに色味の差が少ない二色の糸によって織られている生地になると、ほぼネイビーのスーツに見えます。
光の当たり具合などによって変える表情の違いを楽しめるソラーロ。
夏の定番の生地だけあって、鮮やかな色味の生地も多いですが、オーダーメイドであれば幅広い色の中から仕立てられます。
夏の定番生地ソラーロ。
スーツは、ビジネスシーンの重要なアイテムでもありますが、同時にファッションを楽しめる要素もたくさん詰まっています。
形や細かいディテール、色柄、組み合わせ、様々です。
シーズンごとに特徴を持った生地というのも多く展開され、テーラーでは実際に見て触って説明を聞くこともできます。
カジュアルシーンのジャケットのみでもいいかもしれません。
まずは着用する、体感する、改良する。
オーダーメイドの生地を選ぶ楽しみを、初めて見てはいかがでしょうか?
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
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某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。