スラックスの裾「シングルorダブル」
スラックスの裾「シングルorダブル」
特にスーツを初めてオーダーしようと考える方が迷うディティールの一つにスラックスの裾の問題があると思います。
「シングルorダブル」そうです、折り返すか否かという点です。
普段、シングルに慣れている方からしたら、ダブルの裾はなんかカジュアルな印象に思ったり、最近のトレンド的な気がして、少し抵抗があるディティールかもしれません。
シングルの裾の雰囲気
ダブルの裾の雰囲気
という事で今回は「クラシックの観点からみたら裾をダブルにすることはどうなのか?」について触れてみます。
参考にしてみて下さい。
クラシックな服装でのスラックスの裾
まず、クラシックな服装について教えてくれる書籍『男の服装術』にはこういう記述があります。
- クラシックなスーツのズボンには燕尾服やモーニング、さらにタキシードの例を出すまでもなく、もともとは折り返しがついていなかった。現代のビジネススーツには必須である。折り返しがないズボンはエレガントではないと断言するイタリア人もいる。
- ラウンジコートが誕生した頃の生地は非常に重厚感があり、折り返しという発想自体が存在しなかった。20世紀はじめに英国のある貴族がニューヨークで行われた結婚式に参列する途中雨に遭い、ズボンの裾を折り曲げ、それが定着したという歴史をもつ。男の服はたいていの場合、単純と偶然から進化していくものだ。
- 現代の素材は当時に比べ、ずっと地が薄く、糸も細く繊細な細工がほどこされている為、折り返しを付けないと不安げに見える。折り返しをつける事によって靴とのバランスがスムースになる。
「結婚式に参列した貴族が裾を折った」という一幕から広がったとのこと。
この書籍の著者からすると、ビジネススーツ自体が礼服に取って代わったカジュアルな服装であり、裾はダブルでもシングルでも問題無い。
さらには現代の目付けの軽いスーツでは「ダブルの方が良い」とも断言しています。
今に始まったトレンドというわけではないんですね。
私自信もスーツの裾は殆どがダブルですし、カジュアルにジャケットを合わせたりローファー等を履く事もあってダブルの方が相性が良いのでそうしています。
かといって、シングルの裾がダメという事ではなく、全体的なバランスをシンプルであったりフォーマルに見せたい場合はシングルで良いと思います。
さて、皆様はどちらでオーダーいたしますか?
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