仕立て屋の提案
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「仕立て屋の提案」カテゴリーの記事
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「仕立て屋の提案」カテゴリーの記事
2021/01/31
先日ご来店頂いたお客様から、『身長が低いからスーツが似合わなくて、、、』とご相談を頂きました。
既製服の多くの場合は、平均的な体型である大多数を相手にして服が設計されています。
そのため身長の低い方に限らず、平均と比べて身長が高い方、細い方、大柄な方に向けて服作りがされていません。
こういった方の多くが服選びに悩みを抱えております。
例えば当店にご来店頂く高身長や大柄のお客様は日本での買い物を諦めて「ヨーロッパやアメリカ等の旅行の際にまとめて服を買って来る」なんて方も多くいらっしゃったりする程です。
しかし、こういった身体の特徴はオーダーメイドでは全くもって不利になるという事はありません。
逆に言えばその特徴を活かして服作りをする事が出来ると言えます。
そして、これだけは声を大にして言っておきたいのですが、当店でも身長が低くてスーツをものすごく格好良く着こなして頂いている方も多いですし、全くもって心配する必要はありません!
スーツが似合わないと思っている方は、あなたに合っていないスーツを着ているだけなので是非オーダーを試して頂きたいです。
まず、この記事を書こうと思ったきっかけはこの問題。
なぜか、ネットで多く見られる情報のせいなのか、当店に来られるお客様で『私は身長が低いので暗めの色でストライプが良いと思っているのですが、、、』とご相談を頂く事が多いのです。
ですが、そんなご相談を頂く度に私としては本当にそうなのか?と疑問が湧いてなりません。
ダーク色やストライプを選んではいけないとは思いませんが、どちらかというと身長が低い事を活かせるお色は「明るい色では?」と思いますし「全然チェックとかも合うでしょ?」と経験からも思います。
たとえば、例に出すならこんなライトグレーのウィンドウペンのチェック。
こういう柄を粋に着こなせるのは小柄な方が多い様な気がします。
膨張色と言われる様な色柄のスーツを着ても、なぜかまとまるのが、小柄の方の特徴メリットだったりします。
ファッション色の強い、例えばベージュやグリーン、ブラウン等の印象の強い色も大柄の方よりもむしろ取り入れやすいのではないでしょうか。
ジャケパンスタイルなどでも思い切って色のあるスタイルに挑戦してみて欲しいと思います。
これは逆に我々作り手が注意する点とも言えますが、身長が低い方をより低く見せてしまうような服作りはしない様にしなければいけません。
具体的には以下の様な点を我々は気をつけるのですが、既製服を買う際にも注意してみると良いと思います。
まず、なによりもフィット感を優先しなければいけません。
オーダーだと当たり前の事ですが、例えば普段着でも最近流行りのオーバーサイズの服はより身長を低く見せてしまいます。
特に高身長の方よりも、身長が低い方にとってはジャストフィットの服を選ぶ事はもっとも重要になると思います。
特に着丈には注意が必要で、私達もお客様とやり取りをしながらミリ単位での調整をしていきます。
着丈は短めの方が、下半身が長く見えて良いのですが、短すぎてもバランスを崩してしまいます。
その点を私たちも注視しているといった感じです。
ジャケットのボタンの位置を変えるだけでも結構印象は変わってきます。
あまり気にされた事もない方が多いかもしれませんが、例えば同じ着丈のジャケットがあっても付けられているボタンの位置はそれぞれ違うのです。
ボタン位置が高めのジャケットもありますし、逆に低いものもあるといった次第。
これは身長以外にも身体の大きさ等(太っている痩せている)も関係してきますので一概にこれが正解とは言えません。
どちらかと言うと視点を上に持って来れる様なボタン位置が高めのものを選ぶのがよろしいかと思います。
また、ゴージラインと言われる襟の高さも同様です。
また、手先や足先といった末端にも注意をしてみてくだい。
なによりも増して注意をして欲しいポイントですが、既製服でも必ずジャケットやシャツの袖丈やパンツの股下の長さはしっかりと自分に合わせるべき。
袖丈が異様に長いシャツやジャケット、靴の上に溜まったパンツの生地は、簡単に低身長を強調してしまうポイントだと思いますので、これには絶対に注意をしてください。
さらに最悪なのは、長すぎるシャツやジャケットの袖が汚れていると、もうその印象は強烈に残って最悪なものなると思います。
昔からファッション業界で言われる事に「身長が低い人は靴が綺麗に手入れされていて、高い人程手入れが雑」なんて言われますが、身長が低い人程細部にまで気を使えて清潔な方は多いと思います。
先に答えを言ってしまったかもしれませんが、冒頭でお話しした様に大多数を相手にした既製品の服が合わないと感じる方は絶対的にオーダーがオススメです。
特に大柄な方よりも小柄な方ほどオーダーはオススメしたいので、是非一度試してみて下さい♪
この記事を書いたのは「倉持悠也」
筆者「倉持悠也」について
倉持悠也をSNSでフォローするならこちら
大学卒業後勤めた会社で上場、倒産、新会社の立ち上げという激流に流されたTwenties。
自ら城を築くべく、「俺のTailor」を立ち上げる。
しかし、経営者の道のりこそ激流だと気付いたRecentry。
趣味はサーフィン、出来れば南の島で時の流れに身を任せたい。