冠婚葬祭用のスーツはダメ!?TPOで違うスーツのディティール
冠婚葬祭のスーツを揃える
今回の納品は、冠婚葬祭のスーツを慶事、弔事ごとに揃えていただいたお客様です。
冠婚葬祭のスーツを仕立てたいというお問い合わせは非常に多くいただきます。
この機会に冠婚葬祭のスーツとはどのようなものか、慶事と弔事によって異なる装い、ディテールについて触れていこうと思います。
冠婚葬祭
冠婚葬祭とは、慶弔の儀式の場のことです。
冠は、成人式。婚は結婚式。葬は葬式。祭は法事やお盆のこと。
冠婚葬祭の装いという事ですが、慶事と弔事の装いが同じでも良いのかは個人的に疑問でした。
厳密には、装いを変えるべき?
日本の冠婚葬祭の中で、喪に適した装いというのはブラックのスーツ。
特に喪服に使用する生地というのは、濃染などと言い、スーツのブラックとは異なる漆黒の表情があります。
スーツのディテールも、よりフォーマル度が高いとされるノーベント、袖口は開き見せのボタンホールなど、装飾的なものを排除した仕立てになっています。
続いて今回この喪服と一緒に仕立てていただいた、慶事用のフォーマルスーツです。
ミッドナイトブルーのフォーマルスーツ
こちらは、艶やかなイタリア、カノニコの生地にて、ミッドナイトブルーの生地にて仕立てていただいています。ボタンや裏地も華やかなものを使用しています。
ミッドナイトブルーという色は、ブライダルシーンやお祝いのフォーマルシーンの中で、昼夜問わず格式の高い色になっています。
冠婚葬祭のスーツは着分ける必要がある?
ヨーロッパなどでは、葬儀でネイビーのスーツを着用されることもあるそうですが、日本では、ブラック、もしくはグレーなどです。中でもブラックは漆黒。スーツやタキシードで使用されるブラックとは、色味が違うということです。
もちろん、通常のブラックの生地にて冠婚葬祭すべて着れるスーツもいいですが、日本特有の喪服の色もあるものということでした。
絶対に着分けなくてはいけないというルールはありませんが、仕立てる側、提案させていただく身として、ご説明させていただきました。