スタイリングテクニック
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「スタイリングテクニック」カテゴリーの記事
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
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2019/06/04
ビールの美味しい季節がやってまいりました。
と行ってもホームページのリニューアルを行うための撮影が控えているため、減量中の木村は一応まだお酒を我慢できています。
さて、最近の私のお酒のトレンドというと「高アルコール」
やや高アルコールのオススメのビールを一つご紹介。
HOUBLON CHOUFFE/フブロン シュフ アルコール9.0%
フランス語で「ホップ」を意味するフブロン。
ベルギーの「アシュフ醸造所」が作るビールです。
アメリカやスコットランドで大流行しており、日本のクラフトビールの種類の中でも最も多い「IPA(アイピーエー)」という種類のビール。
IPAの元祖といえばイギリスですが、はっきりとした苦味はやはりややアメリカなどの雰囲気に近く感じ、暑さが厳しい日本の夏にもぴったりな、爽快感のある苦味の強いビールです。
強い炭酸も特徴でチューリップ型のグラスに注ぐのがオススメ。
今年のベルギービールウィークエンドで、生樽が飲めると聞きました。
オススメです。
一般的にはアルコール度数は低かったビールやワインなどの醸造酒も、居酒屋さんに行くと、アルコールの高いポートワインやクラフトビールなどが並ぶようになりました。
クラフトビールなどが流行している今、近場で様々な濃さのビールが味わえ幸せです。
スーパーで売られているサワー系の缶のお酒も、ストロング系の商品のCMをよく見ます。
もちろん美味しいものばかりなのですが、とにかくなんでもアルコールの高いものが美味しい、素晴らしいというとそのようなことはありませんね。
味わい、産地、ブランド、希少性、値段、その日の気分、様々な要素があり、人それぞれ自分に合った、美味しいお酒というものがあります。
スーツの業界にもトレンドというものは存在します。
スーツの品質を吟味する重要な要素に「スーパー表記」があります。
スーパー130、スーパー160などと表記されており、生地の品質を表しています。
スーツの生地を構成する糸の細さを表していて、数字が上がれば上がるほど細い糸を使用しており、スーパー100から現在ではスーパー200ほどの生地も存在しております。
最近は「スーパー160以上の生地」というオーダーも増え「スーパー表記の高い高級な生地」でのご要望はよくお聞きします。
細い糸を使用した生地を好まれるのは、オーダーメイドのスーツ生地のトレンドなのではないでしょうか?
このような糸の細さからのマニアックなオーダーは、オーダーメイドの認知度が高まってきたことと、そのオーダーをさらに楽しみたい、もっと知りたいというお客様が増えた証拠でもあり、非常に嬉しいご注文です。
しかし、ただ糸が細ければそれは良いものなのかというと、そうでもありません。
糸が細いと、生地に光沢が生まれ、さらに柔らかい肌触りになります。
やはり細い糸というのは希少で、スーパー表記が大きければ、値段も高くなります。
しかし、糸が細いので、耐久性が低く、週一回以上着用するには繊細すぎるという注意点もあります。
スーパー170s以上の生地などは繊細なため、革製以外には座らない方が良いとも言われるほどです。
では、逆に太い糸、スーパー表記の低い糸で作られた生地は安いのか、というとそういうわけでもございません。
イタリアの名門生地ブランド「カノニコ」には、「21マイクロン」というレーベルがあります。
こちらのスーツは21マイクロンの、「4PLY」という4本の糸を合わせて作られた生地です。
名前の通り21マイクロン(ミクロン)の糸を使用しております。
スーパー表記される生地はミクロンの値でも表すことができます。
スーパー200が約13.5ミクロン、スーパ−100が約18.5ミクロン、一般的に表記されるスーパー表記は80まであり、スーパー80だと19.5ミクロンです。
つまりカノニコの「21マイクロン」の生地はスーパー表記で表すことのできない生地となっております。
先ほどのスーツの生地「4PLY」は、21マイクロンのウールを4本の糸で織られた生地で、目付けは400g/mです。
あえて、薄さ、軽さは追求せず、ウールの性質を生かし、シワになりにくく、膨らみをもたせた生地に仕上がっております。
重厚感があっても、通気性に優れ、肌に張り付きづらいハリのある生地は、まさに春夏用のスーツに最適な生地になっております。
ちなみにコストパフォーマンスが高いことでも知られているカノニコの中でも、4PLYはスーパー160のコレクションに並ぶ最高級のシリーズになっております。
このことからわかるように、必ずしも、糸の細くスーパー表記が大きく原毛が細い生地の方が高級で、スーパー表記が小さく原毛が太いと安いというわけでもありません。
カノニコのような、あえて太さのある原毛を使用して、その糸の本質を引き出すものつくりや、スレなどの心配が多い職場などの場合は、スーパー160などの繊細な生地は向いていないかもしれません。
お客様のご要望と、着用する場面、頻度、ブランドへのこだわりは、やはり生地をよく知るテーラーにご相談いただくのもいいかもしれません。
さて、話をお酒に戻しますが、日本でオーセンティックバーが多くなってきた頃、お酒の知識は実はお客様の方が詳しかったと言われています。
服飾学生の時代から含めると、洋服に携わってから7年。
未だに発見や知らなかったことが多くあり、特に紳士服に関しては、ありがたいことに、お客様の質問やご要望の中で気づくことも多々あります。
テーラーは頑固だったり、難しかったり、入りづらかったり、そんなイメージもある方もいらっしゃるかもしれませんが、是非なんでもご相談いただければと思います。
まずは、ご自身の欲しいイメージを、そして、クオリティやブランドだけではない紳士服のオーダーメイドの楽しさを、テーラーの私たちと共有してみませんか?
それからついでに。
フブロンシュフを紹介する際に「ベルギービールウィークエンド」の話をしましたが、一番近い日程で、6月27日〜7月7日日比谷にて開催されるそうです。
絶対にオススメなビールをフブロンシュフの他に5つ。行かれる方は是非。
リンデマンスに関しては限定ですかね、、、飲んだことありませんでした。
どこかで行こうと思ってますので、お会いしたらお話ししましょう!!
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
木村駿平をSNSでフォローするならこちら
某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。