紳士服にまつわる用語集
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
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2019/08/19
今回は、秋冬生地の定番でもある「フランネル」「サキソニー」「メルトン」「ツイード」を詳しくご紹介したいと思います。
中には聞いたことがあるものもあるでしょうか?
秋冬のスーツ生地は、素材によって表情が大きく変わるのが特徴です。
それぞれの違いを知っていただくことで、秋冬の服選びやオーダーメイドが楽しくなること間違いなしです。
秋冬生地の定番「フランネル」「サキソニー」「メルトン」「ツイード」を知る 目次
「フランネル」
これは「フラノ」とも呼ばれ、スーツ以外にもコートやシャツ、手袋などでも使用される生地の種類です。
スーツなどで使用される生地というものは、羊毛を糸に加工してから織られ、布地になります。
ほとんどのスーツの生地は細く長い羊毛を使用した糸、梳毛糸(そもうし)を使用して作られます。
また、生地の表面は最終的にクリアカットといい、毛羽立ちを無くし、艶やかに仕上げています。
一方、フランネルの多くは太く短い毛、紡毛糸(ぼうもうし)と呼ばれるものを使用して作られます。
紡毛糸は太く、毛羽立ちがあり、柔らかいのが特徴です。
紡毛糸の特徴として「起毛加工」に向いているというものがあります。
身近なもので毛糸などが紡毛糸です。
もこもこと毛羽立っているのがイメージできますね。
「フランネル」は縮充(しゅくじゅう)と処理をします。
「フェルト化」と言うとわかりやすいでしょうか。
フランネル特有の風合いを決める重要な仕上げの方法で、織られた生地を水に浸して揉み、糸が絡み合い縮んで厚みを増すというものです。
この縮絨の後に、起毛加工され「フランネル」になります。
無地の生地はもちろん、フランネルの特徴を生かしたチョークストライプも人気の生地となっております。
同じく紡毛糸(ぼうもうし)を使用した織物で「サキソニー」という秋冬の定番生地があります。
「フランネル」と同様に洗って縮める、縮充(しゅくじゅう)加工をするので、風合いが似ている素材でもあります。
「サキソニー」は元々、ドイツのザクセンという地方で、スペインのメリノ種を改良された羊から取れるウールを使用されたものを言いました。
その後は、オーストラリアに移入された上質なメリノ種を使用したものでも「サキソニー」として作られています。
「サキソニー」にも仕上げた生地の表面の毛羽をとるクリアカットの工程がありますが「フランネル」の半分ほどの度合いでクリアカットされて作られます。
その度合いの違いにより「フランネル」と比べ「サキソニー」は薄く柔らかい手触りと光沢、織り目が見えることも特徴です。
「メルトン」も紡毛糸を使用しますが、太く柔らかい紡毛糸を使用することが特徴で、通常「フランネル」より厚くなります。
「フランネル」などと同様に縮充をした後、布面のケバを短く刈取り,ブラシかけをするメルトン加工をします。
これにより、「メルトン」特有の表面がケバでおおわれたように見える風合いがでます。
保温性がとても高いので主にPコートの生地などに使用される高級素材になります。
最後に「ツイード」です。
今回ご紹介する生地の中で最も馴染みのある生地の種類かもしれません。
スコットランドにて羊毛を手でねじり糸にして手織りされていた「ホームスパン」というものが原型で、これをツイード川流域で作られたことがこの生地の始まりです。
縮充の工程はなく、起毛もさせません。織られる前に糸を様々な色に染め上げるのが、ツイード特有の色合いを作ります。
厚手でざっくりとした風合いと自然な色合いが特徴的なツイード。
秋冬のカジュアルなジャケットスタイルなどの時に多用されます。
防寒性の高さや、シワになりにくい長持ちのするツイードで仕立てられるジャケットは、元々漁師がきていたそうです。
のちに、その機能性に着目した英国紳士らにより、乗馬やハンティング、釣りなどの大人の遊びを楽しむ時のユニフォームのような存在になったとされています。
現代でもファンの多いハリスツイードなどが有名です。
革製品など、使い込むごとに増す自分だけの味わいや使い心地。
そんなエイジングを楽しむのも、しっかりと硬く重く織られたツイードであれば可能です。
ハリスツイードなどは、孫へ孫へと受け継いでいく伝統性もあるものつくりをしています。
長く愛用でき、深みを増していくのは、ツイード最大の特徴なのではないでしょうか?
春夏用の生地には無いような工程、製品の風合い、温かみのある柔らかさと、高級感のある生地感を兼ねそろえています。
また冬にしか楽しめないような機能性やギミックの魅力もわかっていただければ嬉しいです。
オーダーメイドの特性上、注文からお時間をいただきます。
前々から、寒いシュチュエーションを想像するのは難しいと思いますが、定番の生地の特性だけでも購入やオーダー時の参考にしてください。
色味や柄も定番のものから個性的なものまで見つかると思います。
是非、秋冬に備え、ジャケットやコートをオーダーメイドして見てはいかがでしょうか。
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
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某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。