スタイリングテクニック
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「スタイリングテクニック」カテゴリーの記事
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
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2017/08/11
色は、デザインを視覚的に面白くしたり美しくしたりします。色の意味を知ることにより、誰でもそれを操作、表現できます。
色彩心理学とも言われます。その色によって、相手の印象や自分に対するイメージを考えることができます。
色彩心理学を考慮する有名な人でアメリカ大統領、ドナルド・トランプ氏がいます。
トランプ氏はネクタイを使い分けることで、この心理学を操作しています。「話し合おう」という冷静な姿勢の場合には「青」のネクタイ。「戦おう」という強い姿勢の場合には「赤」のネクタイを着用していました。トランプ氏に限らず、政治家たちは専用のカラーコーディネーターを雇い、色による印象の変化を取り入れているそうです。
私たちテーラーが考えるスーツにおける色彩の変化、取り入れやすいのはやはりネクタイの色でしょうか。実際にお客様にも、ネクタイの色はどうすれば良いかというご質問も多いです。
ではビジネスシーンでの色彩心理学はどう活かされて行けば良いのでしょうか。
まず、色の使い方に関する情報を文献などを参考にまとめました。
また色のトーン(明るさ、彩度)ごとにもイメージがあり、同じトーンの色は、色が違ってもそのトーンの持つ共通したイメージがあります。
(※日本色彩研究所より引用)
※『ファッション&ビューティの色彩』日本色彩研究所
※『色彩構成』ジョセフアルバース著
※『色彩の芸術ー色彩の主観的経験と客観的原理』ヨハネスイッテン著
シーン別につけるネクタイの色のコーディネートを考えていきましょう。コーディネートを考える時に大切にしていることは、まず使用するシーンを考えること。最初にシーンを決め、次にそのシーンにあうトーンを決め、最後に色を選ぶことで、イメージにあった配色ができます。
新規営業時、就活の際などの場面。そんな時は初対面の相手の心を開きたいです。このようなシーンでは鮮やかなトーンが良いでしょう。ブライトやストロング、ビビットなどのトーンで、明るく、生き生きとした印象を与えたいです。色は、ポジティブな印象を与えやすいような暖色系。赤は少し攻撃的な印象もあるので、オレンジや黄色などの色が良いですね。また、黄色はコミュニケーションカラーとも言われていますのでオススメです。
会社やお客様の前でプレゼンテーションをするような、人前で話す時や注目させたい場面です。これもトーンはビビットなどの明るいトーンが良いです。色は暖色系。特に赤色は行動力を示し、プレゼンテーションを活発にします。暑苦しいようなネガティブな印象を与えないように、スーツやシャツはネイビーなどの系統にしてはどうでしょうか。
お客様を接待するおもてなしの場面。安心感や落ち着いた印象で対応したいので、トーンはディープやダークなどの暗め。色は茶色系統のものなどはどうでしょうか。
契約してもらう時、相手に信頼性を感じさせつつ、冷静な態度でいたいです。トーンは少し暗めの方が信頼感を与えますので、ディープくらいが良いと思います。色は青や緑の系統がオススメです。安心感、信頼感の印象を持たせ、冷静な雰囲気も出せます。
謝罪をしなくてはいけないこともあるはず、、、そんな時のトーンはグレイ系統が良いです。グレイやグレイッシュのトーンはおとなしさや地味な印象があり、控えめなイメージを持つようです。色もグレー。自己主張を消すことができます。
シーンを考えたのにはもう一つ、色彩やコーディネートを考える時に重要なことがあると思ったからでした。
色をシーン別の考えたのも、あくまで色はイメージなのではないかということをお伝えしたかったからです。連想させるもの、象徴的なものと考えています。
このような色の印象を考え、海外からのお客様を迎えたら全然違う印象を与えるかもしれません。文化が違えば色の意味合いも変わってくるからです。
お客様と対話することにより、好みや着用する場所、色々な要素を聞き出し、スーツやネクタイ、コーディネートを考えようと思っています。一番重要なのは相手の方、お客様のことを知り、考えることなのではないかと思いました。
当店にはネクタイのオーダーメイドもあり、色や幅、長さなどのご相談も受けています。個性を演出させるためにも、スーツだけでなくネクタイの色味も変えていき、お客様や周りの印象を考えてみてはいかがでしょうか!
この記事を書いたのは「木村駿平」
筆者「木村駿平」について
木村駿平をSNSでフォローするならこちら
某ファッション学校にて、レディースオートクチュールのパターン作成、縫製を専攻。
卒業後、「俺のTailor」に入社。
奥深い紳士服の世界に刺激を受けながら、日々勉強中。
趣味はワークアウト。自分のオーダースーツが着れなくなるほどの体型変化に気がかりながらも
週に3回トレーニングに費やす。サプリメント中毒者。