スタイリングテクニック
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
この記事は「スタイリングテクニック」カテゴリーの記事
洋服において、男性の選択肢は狭いと言われます。
しかしだからこそ奥深いと考え、私達は着手であるお客様のパーソナリティを最大限に引き出す一着を仕立てる事に集中します。
かつて人々を魅了する数々のアートを生んだミラノ郊外の小さな町『ORENO』の様に、お客様にとっての唯一無二の存在になれる事を祈って。
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2019/11/05
昨日お客様からこんなご相談いただきました。
お客様のご要望としては、思い出のあるスーツだし気にいっているので、出来ればスラックスだけ作り直してジャケットを生かしたいとの事。
このお悩み普段からスーツを着る方からすれば、結構あるあるなお悩みではないでしょうか?
お持込み頂いたスーツは3点、ブラック2点とグレーのスーツが1点でした。
お客様と相談し、ブラックの2点の内1点はジャケットの痛みも大きくこれは断念。
残りは「ブラックのシャドウストライプ」と「グレーの無地」と変わった色柄でもなく結構どこにでもありそうな色柄。
正直に言うと、私の結論としてはもうこの時点でも出ていたのですが、お客様と一緒に店舗にある生地で色柄の近いものを探す事になりました。
ブラックのスーツは某ブランドの物で、当店にもそのブランドの扱いがありました。
比較的ブラックスーツの細めのシャドウストライプは物としても多いので、近い物をお客様にご提案していきます。
同じくグレーの無地もライトグレーからチャコールグレーまで色の幅があるものの、近いものがいくつかありこちらもご提案していきます。
ただ、やっぱり結論としてはお客様の答えはノーでした。
変わったスーツでもないので違う生地でスラックスを作ってしまおうというのが、お客様の最初の考えだったのですが、やはり生地を見ていると光沢感や色が微妙に違う。
やはり考えた結果、仕上がってきた時にもっとこの微妙な違いは気になってしまうだろうという事で断念されたのでした。
当店でも毎月の様に、お客様からスラックスがダメになってしまったとご相談を頂きます。
オーダーメイドの場合、店舗や工場、メーカーに生地の在庫があれば極端な話し、数年前の物でも同じスラックスがお作り頂ける事があります。(正確には同じ反物で無ければ全く同じとはいかないのですが、ここではそのお話しは割愛致します。)
但し、オーダーメイドの業界も基本的には年間2シーズン、春夏と秋冬で分かれておりシーズン毎に生地は入れ替わりますので絶対という事は言えないのですが、それでも作る時点でツーパンツにしておけばそのスーツの寿命は2倍近くになるんですね。
さらにオーダースーツの場合、もともとサイズ等お直しがし易い様に設計されていたり、痛みやすいところは始めから補強して作る事が可能なんです。
ですので、結果的に安上がりに済むという事も多いわけですね。
私自身も買い物をする時は、その物が本当に長い間使えるものなのか、もしくはメンテナンスを出来る物なのかどうかを最近は特に気にしています。
インポートブランドでもドメスティックブランドでも物づくりに拘っているところはリフォーム(メンテナンス)部門持っているところが多いですね。
スーツを毎日着る方にとっては、高級スーツを買ってもそこはやはり消耗品。
オーダーメイドに普段されていない方もこういった理由で一度作られてはいかがでしょうか?
自分の身体にぴったりフィットした自信の持てるスーツは必ず仕事にも影響しますし、印象ややる気も変わってくるはずです。
余談ですが、親戚の集まりがあり、父の若かりし頃のスーツ姿の写真を発見致しました。笑
ソフトスーツが時代を感じさせますが、おそらく麻混のスーツにアスコットタイ、バンドカラーのシャツが季節感もあって格好良かったです。
スーツというのは流行は多少あれど、いつの時代も男にとっては切り離せない物であるな〜と改めて思った次第。
気に入ったスーツを長持ちさせるのもオーダーメイドの良いところですね。
この記事を書いたのは「倉持悠也」
筆者「倉持悠也」について
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大学卒業後勤めた会社で上場、倒産、新会社の立ち上げという激流に流されたTwenties。
自ら城を築くべく、「俺のTailor」を立ち上げる。
しかし、経営者の道のりこそ激流だと気付いたRecentry。
趣味はサーフィン、出来れば南の島で時の流れに身を任せたい。