古代ギリシャの服装とスーツ
古代ギリシャの服装とスーツ
服装史における記述の多くは、古代ギリシャから始まっています。
アテネが繁栄した紀元前5〜4世紀になると人物を描いた資料が多く現れてくることから、この時代の装いが古代ギリシアを代表とする服装となっていることがわかります。
基本となる衣装は、一枚の布を体に巻きつけて、紐や留め具(ピンやブローチ)で抑えるというもの。シンプルな服装ですが、体にそって布にドレープやひだが加わると独特の美しさを生み出しました。
古代ギリシアでは、この衣装をクラミュス、キトン、ペプロスなどと呼びました。衣装に使用されたのは自然色のウールで布端に色の線を織り込まれた例もあります。
スーツにおける曲線美
今日、スーツに置いても「ドレープのうつくしさ」を語られることがあります。スーツにおけるドレープというのは、ジャケットの胸から、ウエストまでに生まれる曲線のことです。品質の良い生地と、縫製における技術、そしてテーラーでの採寸がこの美しいドレープを生み出します。
古代ギリシアの彫刻などからは、体にまとった布のドレープを通して肉体の美しさが表現されていることがわかります。体を美しく見せることのできる服とは、まさにスーツに共通する点です。
古代から変わらない、服を着るという意味
防寒性や肌を守る意味ももちろんありますが、毎日着るものにはこだわりたいという方が多いと思います。スーツにおいても同じことで、ビジネスマンの方が、こだわることのできる大きなアイテムの一つです。
古代ギリシアの人々が、洋服にドレープを作るという「服を着ることに求めた美しさ」の考えは、今日まで続いているのですね。